出汁取る?



家庭のキッチンを預かる人は、毎日出汁を使いますという人がほとんどだと思います。

私の場合、出汁を使わない日も多いです。


でも昔は、「料理に出汁ありきでしょ」の人でした。
出汁をとる事が料理の基本であり始まり。
2ℓは無いと心配し、出汁の香りと風味は食事に必要不可欠だと、何にでも出汁を「とりあえず」使っていました。水のように。

今は、鰹節の風味が料理に欲しい時にだけ取りますが、週に一回くらい、500mlの計量カップに鰹節を入れてお湯を注ぐだけ。熱いうちにこして保存容器へ移し替えて、使い残った分は冷蔵庫へ。熱いうちに保存容器へ入れると日持ちがいいので、1週間くらいで使いきります。


出汁の呪縛から解けた瞬間

かぶらのお味噌汁に出汁は要らないと気が付いた時です。

かぶらを皮ごと薄く切って、油揚げとお味噌汁を作って飲んでみてください。味噌は白っぽい甘いタイプが合うと思います。私は白味噌に少し田舎味噌をブレンドしています。

私がかぶらのお味噌汁になぜ出汁がいらないと感じたのか随分前なので忘れましたが、実際にかぶらだけの汁にお味噌を溶いて飲んだ時、過剰な出汁の食生活に辟易していたのだと気が付いたのです。
勿論、出汁は今でも大好きで、味わいたいときもたくさんある。出汁から離れたから、思いっきり味わえるようになって満足感が増大したのです。

このお味噌汁は「出汁は要らない」と感じるかもしれません。でも、もし必要ならば、後で顆粒ダシを好きなだけ振り入れても遅くはないのです。


出汁は水出し

また、出汁はひとつずつ水出しして、調合します。
お水で野菜など煮込んだ後、お出汁を足して行くと、ちょうどいい加減に調節できるので便利です。
出汁素材をいただくと、冷凍保存しながら新鮮なうちに使いきります。お出汁を使った料理を考えるのも楽しい。



お出汁の引き算

お菜葉をちくわと合わせて炊いたら、動物性のお出汁はちくわから出ます。コクがもう少し必要なら、アゴ出汁や昆布出汁を塩加減と一緒に足すのもあり。


先日、母が「南瓜の煮物には砂糖を入れなくていいらしい」と言っていて、私は砂糖どころか出汁も使わないよと言うと大変驚かれました。

南瓜はカットしたら鍋に水1cmくらい入れて蓋して蒸し煮にし、粉吹きにします。半分は常備菜のサラダ、もう半分が下拵え保存用で、南瓜の煮物によくします。冷たい南瓜に水を少し入れて小鍋で温めたら醤油をひと回しのみ。
いくらでも食べられますが、この方法だと3個からでも作れます。


昆布はプロ仕様使いしない

最近は、昆布出汁を滅多に取りません。
海藻を使う事が多いので、出番もないのです。


大根を、昆布と一緒に蒸すように炊く。冬の定番、半下拵えです。
昆布もわざわざ出汁をとるのではなく、乾物野菜として扱って、切ってそのまま炊いてしまいます。昆布も大根もしみじみ美味しく、半下拵えと言いつつ、そのままお醤油や梅酢だけちろっとかけて食べるとすぐに無くなってしまうほど美味しいです。


冬のお鍋、昆布をまず敷いてからぐらっとさせて…これも省いています。無くても味には変わりなく、かえって昆布の香りが邪魔な時さえあります。良い昆布なら香りがご馳走になるかもしれませんが、素人では良い昆布に当たるのは至難の技。お値段もそれなりです。

わざわざ昆布を敷かなくても良いのでは?とある時にふと感じてから昆布を省くようになりました。


以前はよく使っていた昆布ですが、私は3度使い回しするので、なかなか消費しきれません。
昆布出汁を取った後、ザルに広げて天日干ししてカラッとさせると、また出汁が戻ります。
そしてまた乾かして、3度目は佃煮にするのです。



出汁を省くというミッション

自分に課してみるのも面白く、経済的にも節約になると思います。私はまず「出汁いる?」と考えます。味や香りとして出汁が必要かどうかです。

もずく酢に野菜おろしやジャコ、オクラやナメコなど入れて作る酢の物は、我が家の定番です。
市販のもずく酢だと味が濃いので、そんな時に出汁か水か、薄めます。ジャコが多めだったり、もずく酢にカツオ風味がついていたら水で薄めます。コクが欲しいけどカツオ風味の気分じゃない時は、私の「出汁」の位置付けの千年前の食品社の粉末出汁を水で溶いて使います。



昔の私は、出汁の扱いが大雑把で乱暴でした。
出汁は栄養価が高く、健康の源ではありますが、何でも過ぎれば良い事はありません。

子供が生まれて、海洋汚染が言われ始め、じゃぶじゃぶと出汁を使うことに抵抗感を持ちました。

出汁に頼らず、食材に味覚をシフトさせると、出汁にこだわる必要はないのだと、出汁を省くようになって感じることができました。








MONOlist

徒然なる暮らしのことを…

0コメント

  • 1000 / 1000