非日常のためのご飯炊き
炊飯器以外でご飯を炊ける人は増えたように思います。私がガス火で炊き出したのは結婚1年してからで、今から30年ほど前のこと、周囲に「炊飯器が無い、土鍋で炊いてる」と言うと物凄く吃驚されました。
飯盒でご飯が炊けるより、
家で土鍋で炊く方が非日常的だったようです。
ガス火でご飯が炊けると「お米はどうやって炊けるのか」がよく分かります。
そうなれば、どんな鍋でも、どんな火でも、どんなシチュエーションでも、割とご飯が炊けるのです。
今まで、炊飯器の中で秘密裏に行なわれていたご飯炊きの仕組みが分かります。
ガス火炊きのハードル
子どもが生まれるまで家に炊飯器は無く、
15年間、ガス火炊きでした。
最初に炊いた時はネット検索も世の中になく、ぶっつけ本番の「はじめチョロチョロ〜」のうろ覚えで炊きましたが、一発で成功しました。夫もすぐ炊けるようになったし、ガス火炊きは決して難しい技ではないと思います。
水加減は…
研いだお米に手のひらを乗せて、手の甲の9分目あたり(諸説有り)、家庭の好みで水加減は増減。
他、指で測る方法などあります。
慣れたら目分量で分かるようになります。
数字的には、1.2×お米量です。
5合で、水カップ5杯+1杯。
1合は180ccですから水200cc。
(たまに150ccの計量カップもありますね)
「お米炊く時の歌」
①初めチョロチョロ
②中パッパ
③ジュウジュウ吹いたら火をひいて
④ひと握りのワラ燃やし
⑤赤子泣いてもフタ取るな
要は、
①最初は弱火→中火で沸点まで上げていき
②グツグツと水分を飛ばしていく勢いが大事
(私は経験上、ガス台では弱火に落とします)
③蒸気穴や蓋の縁から噴きこぼれそうになったら、水分が流れ出ないように対策します。
(ガスコンロでは弱火にしたくらいではおさまらないので、蓋を開けたり、蒸気穴に竹箸を差したりして、流出を防ぎます)
④最後は30秒ほど強火にして
⑤火を切ってじっくりと蒸し上げる。
④のタイミングは、噴きこぼれの心配が無くなって2〜3分すると、蒸気が出なくなり、なんとなくパチッと微かな音がひとつ聞こえたら、強火で一気に水気を飛ばします。薄っすらお焦げができたら◎
私は匂いで判断しています。完全に炊き立てご飯の匂いになったら強火にします。切り時も、お焦げの匂いが微かしたら止めます。いいお焦げの匂いになってからでは遅いです。そんな時は、五徳から退けます。
※手ですくうようにして嗅ぎます。
鍋の上に顔を覆ったり、直接、鍋に鼻を近づけないで。ひどい火傷します。
長年愛用していた土鍋
ホームセンターの700円程度の土鍋でした。
鼠色のよくある土鍋で1〜2人用の深さのあるキャセロール型。残念ながら今は見掛けません。
沸騰すれば蓋はカタカタいい、蒸気穴から勢いよく飛沫が出れば竹箸を穴に刺してガードしたり、火加減が難しいと蓋をずらしたり。
蓋は、吹きこぼれるくらいならある程度は取っ払っても大丈夫、臨機応変に炊いていました。
軽いけれど一応は土鍋、丈夫で割れにくく扱いやすく、ご飯が余ればそのまま冷蔵庫へ。温めは水を少し入れて弱火に掛ける。(電子レンジも無かった)
今、ご飯炊き用の鍋をおすすめするならば…
ガス台を交換した時にサービスで貰ったリンナイの炊飯用の鍋が我が家にあります。
新しいガスコンロは、自動炊飯できる機能が売りだったようで…でもその機能は使った事無し。
実家にあった鍋で、引っ越してきて処分候補でしたが、思い直して炊き込みご飯用に。
5合炊きで1.5kg無い軽さが扱いやすく、今では何かと大活躍です。処分しなくて良かった!
蓋の周囲が高く作られているので、噴きこぼれ防止になっています。蒸気穴も3つで適度に逃げ道が作られています。
大きさですが、炊き込みご飯は3合サイズでは物足りないので最低でも5合サイズは欲しいところ。
この大きさですと、うどんやパスタも茹でられますし、茶碗蒸しなど、ご飯炊き専用と言わず、大鍋として使えて多目的です。
専用の炊飯鍋がいっぱい出ていますが、結局はどれを買ったらいいのか、これだけガス火で炊いてきても分かりません…高額だし重量もあり、買って使えないでは困ります。
手始めは家にある物がいいかと思います。
家の土鍋で炊いてみてはどうでしょう。
炊き込みご飯
普段の白ご飯は炊飯器に任せ、
炊き込みご飯を炊いてみる。
私は、現在は炊飯器の予約機能が必需で、日常的なガス火炊きはしませんが、炊き込みご飯はリンナイの5合炊き鍋で炊いています。
炊飯器を炊き込みご飯に使わない理由は、
炊飯器自体に匂いがつくのと、
中蓋に付いた油や灰汁を洗う手間を考えてのこと。
(お粥も鍋で炊きます)
ただし、炊き込みご飯は焦げ付きやすいので、最後の強火は時間を短くするなど気をつけなければなりません。
炊き込みご飯の塩分の割合
醤油→ 1合=大匙1
塩 → 2合=小匙1
味が薄い場合は、醤油をひとまわしした後に天地返しすると良いです。
おすすめ簡単な「エリンギの炊き込みご飯」
米2合、醤油大匙2、エリンギを好きな大きさに割いて入れて炊くだけで美味しい。もう一つたすなら油揚げ。
イレギュラーご飯作法
最初に被災した時はすぐにご飯を炊いて、おにぎりにしました。考えられない凄まじい揺れでしたが、我が家は幸いにも電気やガス水道は止まらず、でも近隣ではたくさんの人が困っていました。マンションの向きと低層だった事が明暗を分けました。
地震に後「まずはご飯を炊こう」そう思いました。
夜明けの朝方だったのもありましたが、主婦の本能的なものか、余震がおさまった隙に炊飯器で炊いたのでした。
日常的にやってはいませんが、覚えておくと災害時に役立つかもしれません。
・炊いた鍋は洗わずそのまままたお米炊いてもOK
・お米は洗わずに炊いても問題ない
・乾涸びたたご飯は次の一緒に炊いてしまう
※食中毒防止に、梅干し1個入れて炊く。
梅の味は気にならない程度です。
梅味ご飯として2〜3個入れて炊いても美味しい。
※たくさん残りそうなら、お弁当用の保温ジャーに炊き立てで入れると良いです。必ず炊き立てで!
製品の保温時間の差でそれぞれですが、熱いうちなら安心です。
非常食作り
・煎り玄米を作ってスープの実にしています。
すぐに柔らかくなるので煎っておくと非常食になります。
・乾涸びたご飯も、わざと乾かして貯めおく。
沢村貞子さんがエッセイでご飯をレース状に拡げて干し、缶に入れて保存、お客様の時に揚げてお焦げ料理にとのくだりがあります。
これは乾飯と言いますが、揚げなくても湯でも戻りますので、普段はもてなし料理、何かの時の非常食にとても良いなと思います。
それでも自動炊飯器を
ガス缶で炊ける炊飯器です。
おおよそ1缶で1合19回、5合8回炊けるそう。
6万円以上するので高く、電気代は5合炊きで4円ほどなので、ガス缶1本100円とすると光熱費は割高ですね。
家族でキャンプ3泊〜5泊します!という家庭なら持っていても良さそうです。
ガス缶式の卓上コンロもですが、長期放置でも劣化しにくいので、防災グッズのひとつとして持っていても良いかも?
6月に大きな地震があるかもしれないと聞き及んでいます。予想していると回避するようで、杞憂に終われば幸いです。
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